クレイジーなハーフhくんと僕
「外国人でいい奴はこいつとこいつとこいつ
「hは?
「あいつは、、、、終わってる
「ああ、あいつはクレイジーだよな
そんなことを聞き流しながら
教室の中で、次の授業に使う教科書を探す
僕の教室には
ハーフだか、外国人だか
何人かいる
彼らは
名前がカタカナだったり
また、肌の色が違ったり
顔が外国人風であったり、様々だ
そんなことどこ吹く風と言いたげに僕は
一切気にするそぶりを見せず
次の授業で使う教科書を
2〜3冊、テーブルの上に並べる
「んーー!!
「わっ!!!
突如として腕をつねられる
しかし腹から出る声とは裏腹に
全く痛くない
「なんだよ!!
そう言って振り返ると
上にも、横にも巨大な男の子が一人
hくんだ
髪は縮毛で
大きい体と裏腹に、肌は白い。
「次の授業なんだっけ?
「次?理科だよ
僕は黒板に目をやる
「お前もう準備してんの?o偉いなー
そう言って山のように大きい彼は
感心したように僕の机に目をやる
「んーまたなー
唐突に彼はどこかに行ってしまった
一体なんだったんだろうか
突然の出来事にやや放心状態になりながら
衝撃的なこの一瞬を頭の中で振り返っていた
彼と僕の授業態度はほぼほぼ真逆だ
例えば僕は夏休みの宿題は
配られた直後から取り組み
あっという間に終わらせてしまう
対してかれ、hは平気で忘れてきて
空欄でぐしゃぐしゃの紙を
素知らぬ顔で提出する
また彼はよく決まった人と
小さな人だかりを作り
やや騒がしくして
まとまって帰路につく
対して僕は
基本一人で、何も喋らず帰る
絡まれると楽しげに話して帰るものの
一人で帰ることが圧倒的に多かった。
またクラスで一番大きな顔をしていら人との関わり方も
違っていた
僕はあまり興味が持てず
無視していたが
側から見ると弱いものいじめ的な感じで
たまに絡まれていた
対してかれは
大きな顔しているやつにも平気で切り込む
この時は、いつものふざけてる感じとは違う
声のトーンが重くそ下がり
威圧するように低い声で言う
「お前〇〇あんま調子乗んなよ
といった具合だ
そんな彼のことをヒーローだか
思ったのかは知らないが
彼と一緒にいることも多くなり
数回一緒に遊ぶこともあった
「よぉー!o!
彼に出迎えられ
彼の友達と、3人で友達の家に上がる
「こっちこいよー!
そんな声につられるように
2階へ登ると
横にも大きいhくんに引けを取らないほど
大きな姿
黒い眼鏡をかけて
歯は
茶色くなり
所々黒くなっていた。
そんな歯を知ったか知らずか
彼は笑うのだ
彼の苗字はh
はじめの、横にも縦にも大きい彼のイニシャルは
h.h
またメガネの歯の子のイニシャルも
hだ。
名前は覚えてない
「この子がo?
「そう、こいつー!
そう言ってメガネは
黒い拳銃のようなものを取り出す
ビービー弾を飛ばすエアガンだ
「え!?エアガン!?
僕は心臓を弾ませた
僕は音の出るピストルは持っているが
玉が出ない
とんでもない音がする
運動会の徒競走の時の音に
引けを取らない
それどころかもっと大きいかもしれない
以前そのピストルで
パーンっと何度か鳴らしたが
弾が出なくてがっかりしたからだ
「エアガン!?いいなー」と僕
「欲しいの?よかったらあげるよ
別にいらないし」とメガネ
「くれるの!?僕音の出るピストルはあるんだけど、、、、
「え!!?お前の持ってるやつ音でんの!!?
「うん、めっちゃでかい音
「え、俺そっち欲しい
「今家にあるから持ってくる!!ちょっと待ってて!
友達の家を飛び出し、脱兎のように駆けていく
あのエアガンが!!
みんながなんか話してるエアガンが!!
そんな思いで
家に直帰して
そして戻り、交換する
「へぇ〜!!これが」とメガネ
パーンっ!!!!
ビクッと体が震える
「いいね」とメガネ
「ファッ!!今鳴らす!?」と僕
「わははははは!!」とh.h
家の人が怒るんじゃないかとハラハラをよそに
彼h.hは笑っていた
卒業アルバム制作
「ねぇ
「んあっ?
「ここに、名前書いてよ
彼h.hとは多くの面で違っていたが
少なくとも卒業の時
僕のアルバムの裏には
hくんの名前が刻まれていた