醜い兄妹喧嘩に終止符を打つ

一つの額縁に、一人の顔

 

 

その両脇にはきれいな花束

 

 

真っ黒の服に身を包んだ一人の中年男性が

 

 

手を合わせ、俯く

 

 

しんと静まり返った会場に

 

 

小学生の兄は座っていた

 

 

そこに同じくらいの女の子が近寄って

 

 

何やら口を開く

 

 

「私、そこがいい」と女の子

 

 

「お兄ちゃんが座ってるでしょ」と成人女性

 

 

「やだ」

 

 

「静かにしなさい!!」

 

 

「やだ!!そこがいい!!お兄ちゃんずるい!!!

 

 

わっ!と泣き出す女の子

 

 

すると成人女性は男の子に耳打ちをする

 

 

「ごめん譲ってもらっていい?

 

 

「、、、、、じゃあポケモン買ってね

 

 

それだけ言って立ち上がる男の子

 

 

いつも、妹ばかりずるい

 

 

男の子は何も言わず、違う席へ移った

 

 

一軒家の玄関をくぐり

 

 

3メートルほどの廊下を進み

 

 

スリッパを脱ぎ

 

 

男の子は6畳ほどの畳の部屋に足を踏み入れる

 

 

女の子も続いて入る

 

 

「手を洗わなきゃ

 

 

洗面所で石鹸で手を泡だらけにして、すすぐ

 

真っ黒い液体を取り出し

 

小さいコップにほんの少し注いで

 

水を並々まで入れる

 

 

黒く濁った水を口に入れ

 

 

上を向き、ガラガラと音を鳴らす

 

 

そのあと何度も何度も水道水を口に入れて

口を濯ぐ

 

 

「はい、作っといたから

 

 

「うん

 

 

後ろで待ってる女の子に話して

 

 

部屋に戻る

 

 

男の子は部屋に上がると

 

 

テレビの前で何やら機械をいじる

 

 

男の子の胴ほどありそうな機械を

 

 

何やらカチカチと動かしている

 

 

テレビがつき、何やら

 

 

ウォーンだか何かしらの音と共に

 

 

階段を登る音がする

 

 

僕には共用の部屋しかないのに

 

妹には、個室がある

 

ずるい

 

 

「ねぇねぇ、僕も部屋欲しい」と男の子

 

 

「〇〇のへや?うーんそうねぇ」と成人女性

 

 

「僕も欲しい、何で僕の分はないの?

 

 

「とは言っても部屋はもう空きがないからねぇ

 

 

「、、、、、

 

 

自分でもどうして部屋が欲しいのがわからなかった

 

 

僕の分も欲しい

 

 

妹だけあって、僕がないのはずるい

 

 

「なに?」と女の子

 

 

「お兄ちゃんも部屋欲しいんだって」と成人女性

 

 

「えー、、、、」と女の子

 

 

「だって、〇〇だけずるいじゃん」

 

 

「それはそうだけど、、、でも部屋もないし」

 

 

「うん」

 

 

何でだ

 

 

「何でよぉ!!ずるいよぉ

 

 

試しに泣いてみようか

 

そしたら、、、あるいは

 

 

「ずるい!ずるいぃぃぃ!!!!!

 

 

静まり返った家にこだまする

 

男の子の声

 

 

しかし女の子ほどの轟音ではなく

 

あまり声が出ていない

 

 

「ずるいよ!!〇〇ばっかり!!

 

 

 

 

いいぞ、その調子で泣いて、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

気付いたら僕は部屋にいた

 

 

いつのまにか、2階の少しのスペースが

 

僕の場所になっていた

 

 

「、、、、、

 

 

座ってみる

 

 

、、、、?どうもしっくりこない

 

 

それから共用の部屋に戻り

 

二度と使うことはなかった。

 

 

別に部屋が欲しいわけではなかった

 

単純に自分の要求も通したかっただけだった

 

 

後になって自分のことを振り返ると

 

 

叫びまくって、泣きまくって手に入れても

 

あまり嬉しくなかった

 

 

そりゃそうだ

 

 

いつもそれで僕は仕方なく譲っているから

 

 

仕方なく、いい気分じゃない

それを知っているから

 

 

それに妹に対抗して何かを手に入れても

 

手に入れた瞬間どうでも良くなってしまう

 

 

本当に自分が欲しいものは何だろう?

 

 

本当に泣いてしまうほど、心から欲し今のは何だろう?

 

 

僕が欲しい場所は

 

 

狭くても、空調きいてて

テーブルとソファがある部屋です。

 

 

それも

快適に文章を書いて

 

 

人に喜んでもらえる文章かけたらなと言う想いです。

 

 

、、、、嘘みたいに聞こえるのかな

結構本気なんだけどな

 

 

こうやって断固として言えるのは

 

僕は人に対抗して何かを欲しがることを

 

あまりしなくなったからです。

 

 

泣くことは変わらず、泣いたりすることもあるけど

 

それは誰に対してではなく

 

 

ただ、泣くだけ。

 

 

人に対抗するんじゃなくて

本当に欲しいものは何だろう?

 

 

対抗して手に入れても、どうせすぐ飽きる

 

そして、対抗した相手はいい気分がしないことも知ってる

 

 

 

泣いて手に入れても、罪悪感しか残らない

 

 

そして手に入れたものも

何だか罪深いものに見えてしまうことも知っている

 

 

なので欲しいものは自分一人で必ず

 

 

欲しい景色を書いてみたり

 

実際に本で景色を見てみたり

 

また、1日経ってから見直したりして

 

 

必ず一人で計画を立ててやってます。

 

 

どうせ争って手に入れても

 

 

相手はいい思いをせず

 

自分自身も罰が悪い思いをするだけなので

 

 

どっちかといえば、自分が欲しいものを自分で調べて

 

で、1つ手に入れたら人にあげるほうがいい

 

 

そんで相手が喜んでくれたら

 

そっちの方がいいから

 

 

今も僕は泣きます

一人で

 

 

すぐに手に入るわけじゃないです

 

空調の効いた、テーブルと、ソファ

 

 

ずるいも何もない

 

僕が調べて、手に入れればいいじゃないか

 

 

争い、手に入れた場所は

 

今は使われることなく、埃をかぶっています。

 

 

一人で欲しいものを手に入れて

 

それを使って一人で勝手に人を喜ばせられることをやります。